腹黒ナースの毒ガス室

看護師が猛毒を吐き散らし、毒ガス抜きをする空間です。

横行結腸癌からの多発性肝臓転移癌

禁煙と一緒に禁酒もしてるけど、今の処、身体の調子がとても良い♪


本日夜勤明けで天気も良くて、ますます気分が良い♪


昨夜、例の如く何の連絡も無しに、当たり前の顔をして受付前に来て受診をしたいとか言ってる爺さん。あのね、救急やってるから24時間なんだけど、24時間いつでも好きに受診出来るのとはちょっと違うよの、爺さん非常識すぎるぞとヤンワリお説教したった。


んで要件は、自閉症で中年の息子のお腹がパンパンだからみて欲しい…だそうだ。ちょっと見、尿閉のパンパンとは違う、こりゃ消化器外科だ…イレウスだろな、あーあ、今の時間は形成外科の先生しか居ないんだよ、だから電話して来いっての爺さんめ。


そして救急が途切れなかったので、かなーり待つとだけ伝えて救急車受入対応に戻った。
それから3時間ほど経過して、やっと落ち着いたと言っても患者はうじゃうじゃいる状態で、新規の救急搬送が無いタイミングで、お腹パンパンの自閉症のレントゲンとCT撮った。


イレウスというか腸閉塞なんだけど、ちょっと?…みたいなモノが写り込んでる。
形成外科の先生なので詳しい読影が出来ない。しかし腹黒の目には、造影CTやんないと断言出来ないけど、これ横行結腸カルチからの肝メタだわ…そんで当たり前だけど腸閉塞ヤバい、パーン!と破裂しそう。


夜中2時から消化器外科の当直に切り替わるので、形成外科の先生に造影だけやって、次の消化器外科の先生に丸投げしてくれと頼んだ。


付添で来た爺さんに、自閉症息子の既往を聞いても「病気をした事が無い、身体だけは丈夫なんですハハハ」と、告知前だから暢気なもんだ。
いや、病気してんじゃねーか、洒落にならないヤツ。丈夫だけが自慢?大きなお腹の中は癌でいっぱいだよ…下手すりゃ腹膜播種起こしてるよ…。


そこからが戦いだった。指示の入らない自閉症にイレウス管入れたり、造影CT撮影でもルート自己抜去しやがるし、じっとしてないし撮影進まない。


CTのオペレーションルームから中の自閉症に向かってマイクで


うごかなーい!じーっとしてろ!
パンツの中に何で手ぇ入れてモゾモゾすんの?
はい、うごかなーい!


こうしてやっと撮れた造影CTの画像には、恐ろしい程の癌が写ってた。


そして入院したけど、病室行ってからもイレウス管とルート自己抜去で大暴れだったらしい。
さて、息子の病状を告知されて、爺さんはどうすんだろ。

まぁ、この中が癌でいっぱいだったのよ。