腹黒ナースの毒ガス室

看護師が猛毒を吐き散らし、毒ガス抜きをする空間です。

ダテに歳をくうのはヤバい

高校時代の同級生から、離婚したので割の良い仕事を紹介してくれと、これまたビックリな連絡が来た…。
まだ若かりし頃、今で言うセレブ婚をした(本人曰く)と、自慢?しまくっていた。
自慢話ってその人の価値観で最高だと思う主張をするので、単に会社経営の金持ちと結婚して、そこに愛情があるのか分かりゃしない関係に、私は興味無いし、ちょっと寒気すらしたのを覚えてる。


そんでアラフィフになった今、離婚したそうだ…。セレブ婚から離婚なら、今まで通り働かずに生きて行けるくらいの手切れ金みたいなの貰ったんじゃないの?と思ったけど、身の回り品だけ持たされて追い出されたと。何をしでかしたんだ一体。


大学卒業して直ぐに結婚して社会経験ゼロ、ずっと経済的に恵まれた状況でセレプ妻をしてきた人間に出来る仕事って?
私、医療者だよ。資格も社会経験も持たない中年女性に紹介出来る仕事なんか私の周りには無い。
看護助手だって入院患者のオムツを交換したりトイレ誘導したりするだけじゃない。その時に身体の中で圧の掛かる部位の皮膚を観察して、褥瘡(床ずれ)発生のサインがあれば看護師に報告してくる。食事介助で明らかに嚥下状態が低下したら、誤嚥リスクを懸念して報告してくる。優秀な人になると朝の訪床で何時もと違う様子に脳出血かも知れないと急いでナースステーションに駆け込んできて大手柄を立てることもある。資格を持たない人達でさえ、仕事に大きな責任を持ってる。そして給料安い。
元セレプ妻にそんなこと出来るか?耐えられるか?


そんな旨をやんわり話したら、じゃあ独身の医者紹介して!だって…
アハハハハハハ…あと30歳若ければ紹介できたかも、医者なんか学部か研修医時代に結婚しちゃってるから。


何だろう、プライドが高く社会経験もゼロ、色気を売りに出来る年齢でもない、生きる術を何一つ持たないって、ある意味凄い。


私が防人と結婚した時に、傷の舐め合いカップルと笑われたのは今でも覚えてる。
お互いに強烈な兄弟差別を受けて育ち、私などは母親から育児拒否をされ福島会津の山村に住む父方の祖父母に押し付けられ、高校に上がるまで親兄妹の顔も知らずに育った。祖父母亡くなって文京区の家族に合流したら、初めて会った妹に「私はアナタとは違うから」と頭から冷えた味噌汁をぶっかけられた事もある。私の食事なんか用意された事は一度も無い。


愛されない受け入れられない、馬鹿にされる笑われる、家族の上手く行かないことは全て私らが悪い疫病神的存在として、家から逃げる様にして社会人になって出会ったから、お互いの痛みがよく分かる。今まで愛されなかった分を思いっきり甘やかしてあげようと心から思える相手を伴侶に選んだ。何があっても相手を食わせて行けるように、仕事に対して貪欲でもあった。この30年ダテに歳くったわけじゃない。社会で生きる人達皆そうだよ。多かれ少なかれ何か理由が有って、それを抱えて生きる為に力を付けてくる。
無駄に出来るか時間なんてそんなに無いよ、人生は長いけど若い時間はあっという間に終わっちゃうんだから。
あと、伴侶は経済力よりも愛せるかどうかで選ぶ方が良いよ、相手を守ろうとして経済力なんか気がつけば付いてくるから。