腹黒ナースの毒ガス室

看護師が猛毒を吐き散らし、毒ガス抜きをする空間です。

四の五の言わずに救急車有料にしちまえ

バレンタインデーに防人の定期受診に付き添って病院に行ってきた…と言っても腹黒の勤務先。


休みの日に第三者目線で見ても、看護師って忙しい仕事よねぇ…。
一般外来とは別に救急車も聴こえるし。


救急車って言えば先日、80代男性の発熱。熱くらいで救急車呼ぶなよというのは何時も思う事なんだけど、コロナ5類になったのに情報がアップデートされてない高齢者が多くて、発熱=コロナ=入院だと思ってる人、今だに多いから困る。


ホットライン受けながら地元救急隊で顔見知りの仲なので、動けるのになんで救急車呼んだんだろねー、荷物纏めてあるって何?何しに来るつもりなの?と世間話ふうに状況聞いてた。救急隊員も、着いたらちょっと笑うかもとか言ってた。


その救急車が到着したときに、後方ハッチが開いてワロタ。
バスから降りる登山客かよ。
でっかいリュックサック背負って来る元気のある爺に、そのまま発熱外来の待合室を見せて差し上げたわ。みんなぐったりして座って待つのも辛そうなのに、頑張って予約取って自力で来てる姿を。


爺はコロナ陽性なのでカロナール処方してそのまま帰って頂いた。
あのでかいリュックサックは、入院の準備だったらしい。


防人の受診が終わって、一緒にランチして帰ったよ。バレンタインデーだし腹黒の奢りで。

じゃあ何か、●ねってことか

先日、院長が電話でタイトルを叫んだわけよ。何だろと思い聞き耳を立ててたら、20代自閉症の男性が、何処にも受け入れて貰えなくて困った救急司令本部がうちの院長に直電してきてた。


主訴は自分の状態を表出出来ないから、痛いのか気持ち悪いのか何だか分からないけど、母親が異変に気付いて救急車を呼んだらしい。
救急隊接触時に腹部が緊満で、本人は暴れまわって手が付けられない状態。


受け入れ先が見つからないって救急司令本部からうちの院長に電話がきて、予め6号でも搬送先見付からない某県からの救急収容依頼が院長あてに来ますとのことだった。
電話切って待ったら、1分かからずにホットラインが鳴った。
当然、うちは断らないので収容可能とだけ伝えた。搬送に掛かる時間、凡そ1時間半…もはや救急じゃないわ。


自閉症があるだけで、こんなに断られるの?普段から暴れてるんじゃなくて、症状が辛くて暴れてるんだろうに。


到着して、直ぐに鎮静掛けて画像検査したら、胃ってこんなに広がるの?ってくらい拡張しちゃってる。直ぐに処置室でマーゲンチューブ入れて胃の内容物というか、イレウスなので便汁を吸引したら、引ける引ける…5リットル(笑)こりゃ苦しくて暴れるわ。そしてマーゲンチューブ留置のまま入院になったんだわ。胃拡張も酷くてオペ適だし。


そんで夜中、マーゲンチューブと点滴ライン自己抜去、体幹抑制すり抜けて浴衣を脱いで、オムツをびりびりに破いて真っ裸で、集中治療室から出てきたらしい(笑)
元気になってよかった。


しかしさ、世の中ね、それくらいで救急車呼ぶなっていうの増えたけど、同時に患者を選んで認知症とか精神障害とか自閉症だと、どんなに酷くても受け入れない病院も増えたわ。病院にとっては対応が大変な自閉症であっても、誰かの大切な家族なんだよね。構って欲しくてオーバードースするようなあざとさも無く、毎日を一生懸命生きてる人を切り捨てるような事をしてほしくないね。

耳なし芳一

先日の夜勤でA地点から救急搬送されてきた患者。A地点からウチに来るまでの間、B病院、C病院、D病院と大病院が3軒あるのに、それを飛ばしてウチを第1選定でホットラインしてきてる。


この時点で察する訳だが…あー、プシコね。ハイハイ。うち断らないから、最初からウチなのね。


しかもホットラインの情報が嘘ばっかり。褥瘡とかいうけど、「それデクビじゃなくて、左マンマが皮膚を突き出てる上に、全身骨メタでしょう?」
とツッコミ入れてやった。


救急隊のやつ、バレたと思ったのか上ずった声で、「えあ?…あ…ちょっと自分達わかりません」


途中に大病院が3軒あるのに、全部スキップしてウチを第1選定してくるってことは、プシコってことでいい?と聞くと、救急隊員が押し黙った。


最近ね、うちのスタッフは夜勤中に食事休憩どころか、水分補給もトイレにも行けないの。救急隊が病院選定を面倒くさがって、何でもウチに連れて来るから。それも含めて嫌味いってやった。


そして救急車到着して降りてきたのが

身体中に古代文字?の魔除けの呪文シールが貼られた耳なし芳一みたいな婆様。


一緒に来た娘が透明シールに古代文字で魔除けを書いて身体中に貼り付けたとか。


思った通り、左乳がんが皮膚破って突き出て、全身骨メタでボコボコ。脳転移までしてるから、婆様の言ってることが支離滅裂。そして肺もぐちゃぐちゃで、酷い咳嗽と喀痰。でもあの鼻をつく臭いが無い…


臭いが無いのは古代文字の呪文が臭いを封印しているからでは…?そんな馬鹿な(笑)


病棟に着いたら即皆の人気者になってしまい、全病棟から交替で見学に来てた。
症例見学じゃなくて全身の呪文シールね。
担当看護師が「お名前を教えて下さい」って聞いたら、有名女優の名前答えるから、腹黒が「嘘をつくでない」ってツッコミ入れたら、全身癌転移でボロボロの婆様が楽しそうに笑ってたわ。あれ、脳腫瘍で自分が何言ってんのかも分からない状態なんだけど、まぁ笑いが出るのはせめてもの救いね。



病院嫌いで既往も内服薬もない。それは別に良いんだけど、順番逆じゃない?
治療を尽くして改善なく最後は神頼みってんなら分かるけど、ずーっと神頼みで最後手の施しようが無くなってから病院頼るって。