前の病院で夜間救急搬送されてきた中年女性と付き添いの夫が、二言目には「本当は国立〇〇掛かりつけで、権医に看て貰ってる。今日は仕方なくここに来た」を繰り返していた。

そうか…医療業界に居ない人にとって「国立」や「研究」とか言葉がつくと、凄いドクターと思ってしまうんだな。でも薬の調整が出来てなくて発作起こしたじゃん？　しかも発作時に経口摂取出来なくなるのに、予め経皮薬に切り替えておくような提案もしてないんだよね？　何をもって権医なの？と内心ツッコミを入れてた。

医者には現場で患者数を数多くこなし、沢山の症例を患者のバッググランドと合併症を踏まえて診療し続ける、みんながイメージする医者と、「国立」や「研究センター」とつく病院等で統計を取り論文を書くために患者を時々診る医者が居る。

職業のタイトルは研究やってる医者のが恐らく上なんだろうけど、その人たち、診療スキルは皆無だと思う。

実際に研究医の診療に付いたことがあるけど、腹黒の目には２センチくらいのザーサイみたいな塊が頭部ＣＴ上に見えていて、げっ💦脳腫瘍だ…このデカさじゃ確かに物が二重に見えたりするわな😰と、この後転院先をどうするか等等考えてるのに、研究医ときたら「ハッキリした所見が無いのでストレスを疑います。心療内科に紹介します」などと寝言をホザきやがって、え？センセ？と腹黒は慌てたことがある。ま、心療内科の先生が脳腫瘍疑いで転院先を探してくれたので事無きを得たけど。でもこういう研究医は有名になり易いから、大きな病院の名ばかり院長になったりするんだよね。

なんで夜中にこんな話をするかというと、さっき救急で来たんだよね、いつも国立〇〇の一番偉い先生に診て貰ってるという患者が。でもさ、そこ掛かりつけ患者の救急を断ったからアナタここに来たじゃん？　専門医が居るはずなのに急性増悪期の対応出来ないから断るわけじゃん？　それは良い病院と良い先生なの？