腹黒ナースの毒ガス室

看護師が猛毒を吐き散らし、毒ガス抜きをする空間です。

幸せという言葉が無くなれば良い

エラいネガティブなタイトルだけど、リスカやODを収容する度に思う。


幸せって誰かが無限に機嫌を取ってくれる事じゃない。そりゃ悪いが幸せじゃなくて見下されてるんだよね、だって機嫌取ってる方はその状態が困るから相手の機嫌を取ってるだけ、つまり自分の為に相手の機嫌を取ってる。これ幸せ?誰かを困らせてるだけじゃない?


幼い頃ね、村から4キロの山道を下って駅まで行っては、今日こそ母親が迎えに来てくれると信じて、線路に耳を当てて遠くから列車が来るか聞いてたんだよ。この辺の線路でヤらないでね、人身事故で電車止めて世間に多大な迷惑を掛けるから。


一日に3本しか来なくて、その2本目が夕方に来ると今日も母親は来なかったと諦めて、また山道を4キロ歩いて村に戻るというのを繰り返してた。

帰り道で村の大人が耕運機に乗せてくれて、あれガタガタ凄い揺れだから子供にとってはちょっとしたアトラクションみたいで楽しいんだよ、キャーキャー騒いで家の前に着くと降ろしてもらって、畑で取れたスイカやトウモロコシを貰った。


そうやって日中に毎日駅までまで歩いてる事が祖父母の耳に入ったんだろうね、ある時に「母親」から手紙が来たんだよ。祖母に読んで貰って、嬉しくて嬉しくて、もう直ぐお父さん、お母さんに会えるとはしゃいでた。祖父が亡くなって祖母と二人になって、高校に上がるまで月一で手紙が来てたんだけど、高校入学して1ヶ月も経たない頃に祖母が亡くなった。最後まで現役の看護師だったから、仕事中に逝去。突然痛みを訴えて倒れ、そのまま亡くなったそうだ。死因はA解離、ほぼ即死だったろうね。


それで村の大人に手伝って貰って荷物整理をしてたら、書きかけの「母親」の手紙を発見しちゃったんだ…。そう、祖母が書いてた。

その時に腹黒はどれだけ祖父母を困らせて来たんだろうって悲しくて情けなかったよ。

迎えに来る気の無い血だけが繋がった親と、帰りたい帰りたいと事情を知らずにゴネる腹黒との板挟みで、どれだけ大変だったろうって。


貧しいけど暖かい家で祖父母と食事を囲んで、今までで十分に幸せだったのに、失って初めて分かるんだ。おせーよ…。でもその時に従兄弟の兄ちゃんに言われたのが、「にしゃ、我が機嫌くらい我がで取れ」にしゃ←会津弁でお前って意味…自分の機嫌は自分で取れと言われて、それ以来肝に銘じて生きてるよ。


そこから東京の血だけ家族の所で部屋と称した納戸を間借りして、高校卒業まで虐待受けて過ごしたけど、転入した高校では友達も出来て外ではそれなりに楽しく高校生活を送ってきた。


幸せは毎日無事に過ごすこと、ちょっと笑える事があれば最高に幸せ、幸せは自分で自分の機嫌を取れること。これが分からなかったら、どんなに裕福でもどんなに容姿に恵まれても、どんなに良い大学を出ても、常に満たされなくて枯渇した感情を抱えて生きるしかない。


こんな勘違いを生む幸せなんて言葉は、この世から消えて無くなれば良いんだよ、イラネ。