腹黒ナースの毒ガス室

看護師が猛毒を吐き散らし、毒ガス抜きをする空間です。

病院に幽霊は出ますか?の質問に真面目に答えるなら…

高校生の職業体験が来た。近隣の2校から受け入れていて、2校目の子達がノリが良すぎて可愛かった。色々と質問してくれる中に、病院に幽霊は出ますか?という鉄板質問があった(笑)


大真面目に答えるなら、YESです。


幽霊の定義が何なのか良く分からないけど、肉体は魂の入れ物で道具でしか無い。それが終わると残留思念のようなものが解き放たれる…表現するなら、こんな感じかな。


ERは結構居るからね。殆どが一時的に留まり、そのうち居なくなる。でも中には強い不満?怒り?のようなエネルギーを感じる事もある。


直近だと夜勤中の話。

珍しく落ち着いた夜で、仮眠を取ろうと奥のストレッチャーで横になった。このストレッチャーはERで亡くなった患者を葬儀屋さんの迎えが来るまで安置するのによく使うやつ。うちの病院には霊安室が無いのですよ…。


カーテンで仕切って、そのストレッチャーに横になってうとうとし始めたら、カーテンの所に人が立つ気配があって目を開けたのさ。そしたら横に置いてあるベッドサイドモニターの心電図電極が3本、それぞれバラバラの方向に強く揺れ始めて、流石にコレはヤバいヤツだと直感で飛び起きて、靴も履かずにストレッチャーから離れた。


ちょっとぉー!出たよ〜って笑ってたら夜勤パートナーが起きてきて、もしかして後方2番のストレッチャー?あそこ最近出るよね、と。他の人も見てるんだね。


そして、心当たりがあるんだな、これが。

亡くなった事を受け入れられないんだろうね、でも家族が延命を希望しなかったから、胸骨圧迫もアドレナリン投与も中止せざるを得なかったんだよね。暫く心電図波形が出ては消え、出ては消えを続けていた人。本人は延命してでも生きたかったけど、家族は尊厳死を望んだ行き違いかね。壊れてしまった肉体という入物にしがみついて居ても、意思の表出も出来ない、ゆっくりと入物が朽ちて行く所に留まるだけだから、早く解き放たれる方が次があるんじゃないかと思うんだよ。

あ、輪廻転生って絶対にあると思う、昔はこんなの信じて無かったけど、やっぱり肉体の死と魂は切り離されるって思わされる出来事が看護師人生で多々あったので…。


あと、医師は昼夜関係無い長時間労働を強いられる場合が多いので、夜間ERが落ち着いている時は極力医局の仮眠室で寝ている。その間に救急収容要請が入り、搬送中の救急隊から再度連絡入って最初CPAで連絡受けていたのに、実は時間がだいぶ経っていて死亡確認後に警察の検案を受け入れて欲しいと、話が大きく変わってた。えー?既に亡くなってるなら病院介入しないで警察で検案すりゃいいんじゃないの?と夜勤パートナーと相談してたら、呼んでもいない当直医師が降りてきた。心不全の患者さんは?などと言い出す。心不全?これから仏様が一体来ますけど、死亡診断書だけ書いて下さいって言ったら、心不全が来るって言ったじゃん?て当直医師が…。誰もピッチ鳴らしてねぇよ?

仏様をCT撮影して臓器に死因を探すのをAIと言うのだけど、そのAIの結果、死因は重症心不全で胸に水が貯留し過ぎたものだった。



病院てこんな話山程ある。昔居た国立のオペ室なんか夜間の緊急オペが終わって片付けしてると、背後で手洗い場の水が突然ザーザー流れ始めるとか、オペ室のドアが開くとかあったもん。オペ室ドアって足の爪先を入れてセンサーを反応させて開けるから、その辺の物に反応して勝手に開くとかあり得ないし。


ま、そんなのもやり過ごせる方はどうぞ医療現場で働いて下さい。

医師の体験も結構エグいのあるよ(笑)