腹黒ナースの毒ガス室

看護師が猛毒を吐き散らし、毒ガス抜きをする空間です。

55歳婚活女子

昨日は忙しい日勤だったわ…

救急車は途切れないし、外来は患者でごった返してるし。

急患の入院手続きで外来に出てきたけど、採血室はオーダーの山で、看護師3人居ても回ってないから、入院手続きの書類を患者家族に記入して貰ってる間に、採血を手伝った。


検体ラベルを見て名前を呼んだら妖怪が入ってきた…

全身ピンクのフリフリとレースを身に纏い、太り過ぎで歩行困難なので老いた母親に車椅子を押させてる55歳糖尿病女子。


車椅子に座ってるというより嵌って動けないとう表現がよく似合う。施設整備のおじちゃんが空気入れてくれたばかりの車椅子なのに、タイヤが重量に負けてビタッと地面にへばり付き、タイヤの金属リムが床にゴリゴリゴリゴリと音を立てて近づいてくる。


凄く怖い


糖尿病外来を受診する前だから、当然のこと検体ラベルに「空腹時血糖」と注意書きがある。

けど、さっき売店前でケンタ食ってた「待て」が出来ない女子。


老いた母親との会話が、パパの会社で30代の独身男性を婿という生贄に差し出させる算段の内容。


パパの会社の30代男性達にとって、昔、各地で行われた山の神の怒りを鎮めるための人柱みたいな話だ。


ママが女子に同年代にも会って見ないと決まらないんじゃない?と諭すが、「だってママ、女子は何時までも綺麗だけど、男は40過ぎたらお爺さんでしょ?○○子はお爺さん無理だから。あと、ママ、ちゃんと姫って呼んで」


腕ムチムチで静脈が翼状針がリーチできなそうな深い所にある…、仕方ないシリンジに22ゲージ直針付けて刺すか…、いや、これ静脈じゃなくて肉?触知しずれぇ💦と焦る腹黒は、その会話を聞いて本気の目眩を起こした。


腹黒の図太い自律神経を一時的に失調させる物凄い破壊力だ。


子供の頃、腹黒は実は獣医さんになりたかったんだよね、なんか突然そんな事を思い出して、そうだ獣医さんだ。だから針も長いの使うんだ。

獣医さんごっこで何とか一撃で静脈当てたわ、こんなの失敗して刺し直したら、どんだけ騒がれるか分かんないわ。


他の看護師に、腹黒さんよく一発で採ったね!と驚かれたけど、牛とか豚の採血を子供の頃よく見たからね♪って、失言とも暴言とも取れる謎の返事で他の看護師達が納得してた。


腹黒のような生い立ちだと自己肯定感が著しく低く、社会で生きて行く事に対して常に困難を感じるアダルトチルドレンになってしまう。

が、しかし、褒め過ぎ甘やかし過ぎは、生命の維持そのものが困難になる事例を学んだ。


本日お休みで朝からバーガーキング☺